2024年09月

七宝焼きを制作してみよう!はじめるのに必要な道具類を詳しく解説

七宝焼きを制作してみよう!はじめるのに必要な道具類を詳しく解説

七宝焼きは伝統工芸のひとつでありながら、近年では道具を自分で準備して趣味や手作りアクセサリー販売をおこなうほどの、人気を集めています。初心者でも簡単にはじめられるものですが、なにが必要なのか分からないことも多く、不安に思っている方もいるでしょう。

こちらの記事では、七宝焼きをはじめるにあたって必要な道具の紹介をしています。七宝焼きをはじめようか悩んでいる方も、道具について詳しく知っておくことで悩みを解決できるでしょう。

七宝焼きに必要な道具は工程ごとにある!まずは「盛り付け」から

七宝焼きを自宅ではじめる際に、必要な道具があります。それを紹介するために「盛り付け」と「焼成」の工程ごとに分けて紹介していくので、一工程ずつをそれぞれ確認していってください。

まずは「盛り付け」から解説しましょう。盛り付けとは七宝焼きの基本ともいう作業で、筆では塗りません。その作業に必要な道具を5つ解説していくので、ひとつずつ見ていきましょう。

七宝焼きのもとになる「銅板」

まず七宝焼きに欠かせないのが「銅板」です。七宝焼きは銅や銀などの金属に特殊な薬品を盛り付けるので、これがないと七宝焼きになりません。銅板に下書きをし切り出して手で成形をすることによって、形を作っていくのが基本です。すでに形ができあがっているもの(ペンダントやブローチなど)を、利用するのもよいでしょう。

お店によってさまざまな形があるので、自分の気に入ったものをいくつか用意しておくことをおすすめします。

七宝焼きの要ともいえる「釉薬(ゆうやく、うわぐすり)」

七宝焼きの美しさのもとといえる「釉薬(ゆうやく、うわぐすり)」は、焼成することでガラス質に変わり光沢が出て、防水の役割をもつ粉末です。水で洗うことで不純物を取り除き、透明・不透明な釉薬が作れるので、用途に合わせたものを作りましょう。

釉薬に混ぜて使う「CMC(カルボキシメチルセルロース)」

釉薬だけでは金属に盛り付けられません。そこで使用するのが「CMC(カルボキシメチルセルロース)」という、白い粉末状の化学のりです。はじめて聞く方も多いでしょう。規定量を水に溶いたものを釉薬に混ぜて使うことで、盛り付けがきれいにおこなえます。

釉薬を盛り付けるのに必須な「ホセ(竹べら)」

出来上がった釉薬は筆で塗らず、七宝焼きでは「ホセ」という竹べらを使って盛っていきます。釉薬を盛り付ける以外にも釉薬を水洗いするときなどにも使うので、複数本用意しておきましょう。

次の道具は「焼成」に使うもの

次に「焼成」の際、必要になる道具を紹介していきます。焼成は高温になる作業なので、やけどをしないよう注意しましょう。こちらも主に4つの道具が必要となるので、ひとつずつみていきましょう。

一番大切な「電気窯」

なんといっても焼成には窯が必要になります。七宝焼きでは家庭用コンセントで使える「電気窯」がピッタリです。七宝焼きに必要な温度は800℃~850℃といわれており、電気窯なら十分な温度まで上げられます。さらに初心者でも扱いやすい作りになっているので、心配はいりません。

焼くときに銅板をのせる「くら」

ステンレスの金網では耐熱温度が低く、焼成に使えません。ここでは「くら(とちともいう)」とよばれるものを使いましょう。くらの役割として焼成する作品を支えるだけでなく、窯内で棚板と釉薬を盛った作品がくっついてしまうのを、防いでくれます。

熱いものを持つための「トング」

焼成に使った電気窯のなかは800℃近くまで温度が上がっており、取り出すのに素手では不可能です。そこで使うのが「トング」で、くらごと挟んで窯内から取り出せます。

最後の仕上げに使う「やすり」は欠かせません

十分に冷まして七宝焼きの完成ではなく、溶けた釉薬が銅板からはみ出すこともよくあることです。そのままにしておくのは見栄えがよくないので、最後の仕上げとして「やすり」を使います。ふちの部分も焦げ付くことがあるので、きれいに研ぐ際に役立つでしょう。

まとめ

まとめ

七宝焼きは伝統工芸ながら自宅で手軽にできるものです。七宝焼きを趣味やアクセサリー販売としている方もいるほど人気です。自宅で七宝焼きをはじめるのに必要な道具があり、3つの工程それぞれがあります。盛り付けには銅板や釉薬・CMCやホセがあり、いずれも七宝焼きに欠かせない道具です。

電気窯は焼成にかならず使うもので、それにあわせてくらやトングも安全のために使うとよいでしょう。最後の仕上げにやすりも必要です。余分な釉薬やふちの焦げ付きに使うことできれいに仕上がるので、準備を忘れないでください。

「畠山七宝製作所」の七宝焼きは、一つひとつが職人の手によって制作・販売されております。どれもが色鮮やかな美しさを放っています。実際の七宝焼きの製品を手にとってご覧いただくことで、その美しさにひかれるでしょう。ご自宅で七宝焼きをはじめる方にも、作品のヒントになるものがあるかもしれません。お客様のご来店を心よりお待ちしております。