コラム

七宝焼きの特徴5つを紹介!独特な色つけや保存性などの魅力をチェック

七宝焼きの特徴5つを紹介!独特な色つけや保存性などの魅力をチェック

七宝焼きには釉薬(ゆうやく、うわぐすり)という絵具による色出しや、多種多様な技法といった特徴があります。ほかの陶器より見た目を美しく守れるのもポイントです。体験教室もあるなど、全国で需要があります。そんな日常生活にも根付いている七宝焼きには、さまざまな特徴があります。

今回は、数多くある七宝焼きの特徴のうち、5つを厳選してご紹介します。七宝焼きについてあまりよく知らないという方は、ここから焼き物としての魅力を見つけてみましょう。

七宝焼きは釉薬で色をつける

七宝焼きは、釉薬で色をつけるのが特徴です。この色は、金属の化学反応によって出ます。釉薬自体にも金属が含まれているので、その種類次第で色も異なるのです。

七宝焼きの色は、金属のイオンなどが主因です。このような成分から光の反射が生まれ、赤や青、黄色などを生み出します。金属の素地と釉薬の組み合わせによって化学反応が異なり、別々の色が出ます。

このように七宝焼きの色は、釉薬がポイントです。これが金属と混じり合い、化学反応で色を生み出します。変化する色合いの違いなどを楽しめるのも、七宝焼きの大きな魅力のひとつだといえるでしょう。

七宝焼きには日本と西洋でさまざまな技法がある

七宝焼きには日本と西洋で、さまざまな技法があります。ここでは日本と西洋から、それぞれ代表的な技法を見ていきましょう。

日本由来の技法

日本由来の技法には、象嵌(ぞうかん)七宝や有線七宝などがあります。象嵌は金属の素地を彫り、そこに釉薬を流し込む形です。ここから各パーツと同じ素地を作り出します。できあがった素地に七宝をはめ込む形です。

有線七宝は、薄い帯状の金属線を使い、素地に模様を作ります。そこに釉薬を流し込む形です。繊細なデザインで、和物らしい魅力を出せます。

このように日本由来の技法には、素地に模様をつけ、それに合わせて釉薬を流し込むやり方が人気です。

西洋由来の技法

西洋でも七宝焼きの文化が見られます。こちらは「エナメル」と呼ばれ、ヨーロッパのアンティークジュエリーなどが代表例です。技法としてはシャンルヴェや、プリカジュールなどが主流になります。

たとえばシャンルヴェは、金属のくぼみを彫り、そこに釉薬を流し込みます。これは日本における象嵌七宝に似ているでしょう。

プリカジュールは薄い金属箔の素地を使います。そこに金属線を貼り、釉薬を流し込む形です。最後に金属箔をつけ、透過仕上げに持ち込みます。ステンドグラスに似た美しさを感じられるでしょう。

このように西洋でも、さまざまな七宝焼きが見られます。日本とはまた違ったデザインを楽しめるでしょう。

七宝焼きは長い間美しい見た目を守る

七宝焼きは保存性の高さも特徴です。表面がガラス質になっており、これが物体の状態を守ります。

たとえば素焼きの陶器などは、表面が傷つきやすいのが難点です。時間が経つとカビの繁殖にいたるケースもあります。このように素焼きだと、長期保存が課題です。

一方で七宝焼きはガラス質なので、以上のようなトラブルに強いといえます。そのためぶつけたり落としたりしなければ、管理しやすいでしょう。このように七宝焼きは、美しい見た目を長期間楽しめます。色褪せない魅力を長きにわたって楽しみたいという方には、七宝焼きがおすすめです。

七宝焼きはガラスなので取り扱いに注意

七宝焼きはガラス質なので、取り扱いに注意してください。強くぶつけたり、落としたりすると割れるおそれがあります。またヒビ割れにも気をつけてください。

洗うときもやわらかいスポンジに洗剤をつけてこすり、ぬるま湯で洗い流しましょう。熱いお湯だと膨張で割れるかもしれません。冷たすぎる水だと収縮で割れるリスクがあります。

このように七宝焼きの持ち運びや管理時は、壊してしまわないように注意してください。

七宝焼きを体験できる場所がある

七宝焼きは、全国で体験しやすいのも特徴です。伝統工芸品としての独特な魅力から、実際に作ってみたいと思う人がいます。事業者側もそれを認識し、体験の機会を与えているのでしょう。

たとえば、七宝焼きの体験を専門にした工房やアトリエがあります。焼き物の店舗販売やネットショップを展開しながら、体験教室を展開する事業者もいます。このように七宝焼の体験は、全国で展開されているのです。

以上から自分で作ることも比較的簡単で、日常生活の中で身近であることも、七宝焼きの特徴だといえるでしょう。

まとめ

まとめ

七宝焼きは金属反応で、独特な美しさを見せます。ガラス質ですが、保存性に優れているのも特徴です。独自性のある魅力から、体験教室も開かれています。このように七宝焼きにはさまざまな特徴があるので、ぜひ触れてみましょう。

「畠山七宝製作所」でも、さまざまな七宝焼きを展開しています。当店ではオーダーメイドやネットショップで、焼き物の魅力に触れられるのが特徴です。気になる方は、公式サイトまでぜひアクセスしていただき、さまざまな七宝焼きについて見てみていただければと思います。

七宝焼きを制作してみよう!はじめるのに必要な道具類を詳しく解説

七宝焼きを制作してみよう!はじめるのに必要な道具類を詳しく解説

七宝焼きは伝統工芸のひとつでありながら、近年では道具を自分で準備して趣味や手作りアクセサリー販売をおこなうほどの、人気を集めています。初心者でも簡単にはじめられるものですが、なにが必要なのか分からないことも多く、不安に思っている方もいるでしょう。

こちらの記事では、七宝焼きをはじめるにあたって必要な道具の紹介をしています。七宝焼きをはじめようか悩んでいる方も、道具について詳しく知っておくことで悩みを解決できるでしょう。

七宝焼きに必要な道具は工程ごとにある!まずは「盛り付け」から

七宝焼きを自宅ではじめる際に、必要な道具があります。それを紹介するために「盛り付け」と「焼成」の工程ごとに分けて紹介していくので、一工程ずつをそれぞれ確認していってください。

まずは「盛り付け」から解説しましょう。盛り付けとは七宝焼きの基本ともいう作業で、筆では塗りません。その作業に必要な道具を5つ解説していくので、ひとつずつ見ていきましょう。

七宝焼きのもとになる「銅板」

まず七宝焼きに欠かせないのが「銅板」です。七宝焼きは銅や銀などの金属に特殊な薬品を盛り付けるので、これがないと七宝焼きになりません。銅板に下書きをし切り出して手で成形をすることによって、形を作っていくのが基本です。すでに形ができあがっているもの(ペンダントやブローチなど)を、利用するのもよいでしょう。

お店によってさまざまな形があるので、自分の気に入ったものをいくつか用意しておくことをおすすめします。

七宝焼きの要ともいえる「釉薬(ゆうやく、うわぐすり)」

七宝焼きの美しさのもとといえる「釉薬(ゆうやく、うわぐすり)」は、焼成することでガラス質に変わり光沢が出て、防水の役割をもつ粉末です。水で洗うことで不純物を取り除き、透明・不透明な釉薬が作れるので、用途に合わせたものを作りましょう。

釉薬に混ぜて使う「CMC(カルボキシメチルセルロース)」

釉薬だけでは金属に盛り付けられません。そこで使用するのが「CMC(カルボキシメチルセルロース)」という、白い粉末状の化学のりです。はじめて聞く方も多いでしょう。規定量を水に溶いたものを釉薬に混ぜて使うことで、盛り付けがきれいにおこなえます。

釉薬を盛り付けるのに必須な「ホセ(竹べら)」

出来上がった釉薬は筆で塗らず、七宝焼きでは「ホセ」という竹べらを使って盛っていきます。釉薬を盛り付ける以外にも釉薬を水洗いするときなどにも使うので、複数本用意しておきましょう。

次の道具は「焼成」に使うもの

次に「焼成」の際、必要になる道具を紹介していきます。焼成は高温になる作業なので、やけどをしないよう注意しましょう。こちらも主に4つの道具が必要となるので、ひとつずつみていきましょう。

一番大切な「電気窯」

なんといっても焼成には窯が必要になります。七宝焼きでは家庭用コンセントで使える「電気窯」がピッタリです。七宝焼きに必要な温度は800℃~850℃といわれており、電気窯なら十分な温度まで上げられます。さらに初心者でも扱いやすい作りになっているので、心配はいりません。

焼くときに銅板をのせる「くら」

ステンレスの金網では耐熱温度が低く、焼成に使えません。ここでは「くら(とちともいう)」とよばれるものを使いましょう。くらの役割として焼成する作品を支えるだけでなく、窯内で棚板と釉薬を盛った作品がくっついてしまうのを、防いでくれます。

熱いものを持つための「トング」

焼成に使った電気窯のなかは800℃近くまで温度が上がっており、取り出すのに素手では不可能です。そこで使うのが「トング」で、くらごと挟んで窯内から取り出せます。

最後の仕上げに使う「やすり」は欠かせません

十分に冷まして七宝焼きの完成ではなく、溶けた釉薬が銅板からはみ出すこともよくあることです。そのままにしておくのは見栄えがよくないので、最後の仕上げとして「やすり」を使います。ふちの部分も焦げ付くことがあるので、きれいに研ぐ際に役立つでしょう。

まとめ

まとめ

七宝焼きは伝統工芸ながら自宅で手軽にできるものです。七宝焼きを趣味やアクセサリー販売としている方もいるほど人気です。自宅で七宝焼きをはじめるのに必要な道具があり、3つの工程それぞれがあります。盛り付けには銅板や釉薬・CMCやホセがあり、いずれも七宝焼きに欠かせない道具です。

電気窯は焼成にかならず使うもので、それにあわせてくらやトングも安全のために使うとよいでしょう。最後の仕上げにやすりも必要です。余分な釉薬やふちの焦げ付きに使うことできれいに仕上がるので、準備を忘れないでください。

「畠山七宝製作所」の七宝焼きは、一つひとつが職人の手によって制作・販売されております。どれもが色鮮やかな美しさを放っています。実際の七宝焼きの製品を手にとってご覧いただくことで、その美しさにひかれるでしょう。ご自宅で七宝焼きをはじめる方にも、作品のヒントになるものがあるかもしれません。お客様のご来店を心よりお待ちしております。

七宝焼きの作品の取り扱い方とは?5つの注意点を詳しく解説

七宝焼きの作品の取り扱い方とは?5つの注意点を詳しく解説

焼き物と聞くと陶器や磁器などを思い浮かべる方が多くいます。陶磁器は粘土や土を用いるのが一般的です。一方で七宝焼きでは金属を土台にしています。

陶磁器のように粉々に割れる恐れはありませんが、繊細な作品なので取り扱いには注意が必要です。そこで今回の記事では、七宝焼きの注意点や作品の取り扱い方についてご紹介します。七宝焼きの購入をお考えの方は、この記事を参考にしてください。

1.七宝焼きを取り扱う際の注意点

七宝焼きは生活のさまざまな機会で用いられます。ただし、陶磁器とは性質が異なるため、取り扱いには注意しなければなりません。
ここでは、七宝焼きを取り扱う際の注意点を5つご紹介します。

電子レンジ

電子レンジはマイクロ波を利用しており、マイクロ波をレンジ内で回転している食品に送り出すことで温められます。一般的にマイクロ波は紙やプラスチックを通り抜ける性質があり、レンジ内に紙やプラスチックを置いても問題ありません。

一方で金属はマイクロ波を跳ね返す性質があります。マイクロ波を送り出すマグネトロンに戻ってしまい温度が急激に上昇してしまうのです。場合によっては発火する恐れがあるでしょう。七宝焼きには金属が含まれているため、電子レンジの使用は避けましょう。

水を使う

七宝焼きは通常の陶磁器と同じように水を使用しても問題ありません。ただし、熱湯に浸すと急激な温度変化によって傷む恐れがあるので注意しましょう。

また、七宝焼きではガラスを使用していますが、加熱した直後に冷水で冷やすとガラスが一気に収縮する恐れがあります。ガラスは温度の変化によって膨張や収縮を繰り返すため、水やお湯の温度には注意を払いましょう。

加熱する

七宝焼きを使用する際には直火での加熱には注意しなければなりません。直火で加熱させると作品の温度が急激に上昇します。七宝焼きに含まれているガラス質が変形する恐れがあり、場合によっては傷ができたり破損したりする可能性が高いでしょう。万が一誤って直火で加熱した場合には、水をかけずに冷めるまで待ちましょう。

強い衝撃を与える

七宝焼きはデリケートな作品です。取り扱う際には強い衝撃を与えないようにしましょう。七宝焼きにはガラスを使用しており、衝撃を与えると表面に傷ができる恐れがあります。強い衝撃を受けた場合には、ガラスが剥離したり割れたりすることもあるでしょう。大切な作品を保管する際には、丁寧に取り扱うことが重要です。

保管方法

七宝焼きには金属が含まれており、適切に保管していないとさびが発生する恐れがあります。特に水気の多い場所や塩分が含まれている場所で保管するとさびがすぐに発生してしまいます。七宝焼きの作品を保管する際には風通しのよい場所を選びましょう。

料理の器として七宝焼きの作品を使用した場合には、汚れをしっかりと落としましょう。水で洗い流した後はペーパータオルや乾かした布巾などで水気を取り除きます。水滴や塩分などを残さないようにしましょう。

七宝焼きの便利な使用方法

七宝焼きには他の作品にない魅力があります。ここでは、取り扱いに関する七宝焼きの2つの魅力について見ていきましょう。

においが残らない

1つ目の魅力はにおいが残らないことです。最近ではさまざまな用途でプラスチックが使われていますが、プラスチックには表面に細かな凹凸があり、においなどが入り込んでしまいます。洗剤を使っただけでは汚れを落とすのは難しく、場合によってはにおい移りや色移りなどが発生してしまいます。場合によっては洋服や別の装飾品にもにおいが移ってしまうでしょう。

七宝焼きは金属やガラスを原料としているのでにおいが残りません。においを残さずに保管したい方にはおすすめです。

清潔に保てる

2つ目の魅力は清潔に保てることです。七宝焼きは金属やガラスで生成されており、細菌が付着しても増殖を許しません。とくに金属には抗菌作用があり、汚れの付着を防げるという魅力があります。装飾品として七宝焼きの作品を使用する場合でも、清潔に保てるので安心して利用できるでしょう。

まとめ

まとめ

七宝焼きには鮮やかな模様や美しい風合いが魅力です。風景や花鳥風月などの魅力的な図柄を楽しめます。7つの宝に匹敵するほど美しいということから七宝焼きという名称が用いられたとも言われており、金属素地とガラス質の釉薬を組み合わせた魅力的なデザインが魅力です。

一方で、七宝焼きは繊細に作られており、作品の取り扱いには十分な注意が必要です。金属やガラスが含まれているため、電子レンジや熱湯などの使用は避けましょう。強い衝撃を与えると傷が付いたり破損したりする恐れがあるため、丁寧に取り扱うのがおすすめです。

「畠山七宝製作所」ではペンダント、イヤリング、携帯ストラップをはじめ、さまざまな七宝焼きの作品を販売しております。東京都指定伝統工芸品にも指定されており、これまでに培ってきた知識や技術でこだわりの作品を作り上げています。

オーダーメイドの注文にも対応しており、質の高い魅力的な作品の提供が可能です。東京都内で七宝焼きの作品の購入をお考えの方は「畠山七宝製作所」にお問い合わせください。

アイテム別に紹介!伝統工芸の技が光る七宝焼きの値段について

アイテム別に紹介!伝統工芸の技が光る七宝焼きの値段について

日本には、刺し子、薩摩切子や焼き物など、さまざまな伝統工芸があります。確かな技術を持つ職人によって作り出される伝統工芸品は、見た目の美しさだけでなく、使い長く愛用できる実用性も兼ね備えているのです。そんな優れた伝統工芸品の中でも「七宝焼き」は、古い歴史を持ちながらも、現代に適したアイテムが多く取り扱われています。

しかし、伝統工芸品は高価なイメージがあるため、安いアイテムを購入すると失敗するかもと気になる方もいるかもしれません。そこで今回の記事では、伝統工芸の七宝焼きが高価な理由から、アイテム別に値段について紹介します。

七宝焼きの値段が高い理由

日本が誇る伝統工芸の一つである「七宝焼き」は、世界を虜にするほど優れた技術で作られており、人々を魅了しています。気が遠くなるほどの時間をかけて作られているため、値段が高いアイテムが多くあるのです。ここでは、七宝焼きの値段がなぜそれほどまでに高く設定されているのか、その理由を見ていきましょう。

原材料の高騰による影響

七宝焼きは、「金」「銀」「胴」などの金属を材料に用いているため、世界情勢の価格高騰によって値段が高くなる傾向が続いています。もともと金は産出量が少なく、昔から希少な金属として扱われているのです。また、七宝焼きの色付けに使う釉薬(ゆうやく、うわぐすり)は、珪石や硝石などの主原料に金を混ぜることで「赤色」、銀を混ぜると「黄色」になります。

このように、金などの金属を材料として用いる七宝焼きだからこそ、原材料となる金などの高騰は、アイテムの価格を押し上げているのです。

1高い技術で手間ひまかけている

七宝焼きに限らず、伝統工芸品は職人の手仕事によって作られるため、高い技術力が必要になります。職人が一人前になるまで数年かかりながらも、一つのアイテムを作り上げるまでにも手間ひまかけているのです。七宝焼きは独自の高い技法はもちろん、いくつもの工程があるため時間も手間もかかってしまい、大量生産ができないのも価格が高くなる原因と言えるでしょう。

丈夫で長持ちして使い続けられる

七宝焼きの魅力の一つでもある「色合いの多さ」が、長い年月を経ても色あせないのが、優れた技術力を感じさせます。宝石のように美しい輝きを失わない丈夫さから、ツタンカーメンのラピスラズリ、日光東照宮の飾りなどに用いられているのです。このように七宝焼きには、長い時間が経過しても色あせることのない技術が施されているため、長持ちして使い続けられることから「高価なモノ」としても評価されています。

【アイテム別】七宝焼きの特徴と値段について

七宝焼きは「高級品」の扱いになっているため、手軽に購入できないケースもあります。しかし、アイテムによっては気軽に七宝焼きを楽しむこともできるのです。ここでは、アイテム別に七宝焼きの特徴と値段について紹介します。

ネックレス・ペンダント

シンプルなワンピースなどに華やかさをアップしてくれる七宝焼きのネックレスやペンダントは、色合いはもちろん、キラキラと輝くツヤを兼ね備えているので、ジュエリーなどのアクセサリーに引けを取りません。何と言っても七宝焼きは好みのデザインを反映させることができるため、有名な絵画などをペンダントに落とし込むことができます。そのため七宝焼きには、ジュエリーには表現できない美しさがあるのです。

ネックレスやペンダントの相場は7,000円くらいになりますが、アイテムによっては手軽に購入できる5,000円から、贅沢なデザインが施されている40,000円くらいもあります。

和物ブローチ・ピンズ

七宝焼きならではの「色とツヤ」を持ちながらも、さまざまな形やモチーフをブローチやピンズにして身に着けることができます。愛らしい「ふくろう」をはじめ、動物好きにはたまらない「犬」や「猫」などをモチーフにしているモノもあり、襟元やバックなどにおしゃれアイテムとして活躍してくれるのです。七宝焼きは手作業になるため、ひとつひとつの色や表情が異なります。

そんな七宝焼きのブローチやピンズは1,000円くらいの手軽なアイテムからありますが、5,000円くらいからが多く、高価なアイテムでは100,000円以上からあるのが特徴です。

ハレの日に最適な飾皿

古くから伝わる伝統工芸品の七宝焼きは、その優れた技術力は世界からも高く評価されています。そんな魅力的な七宝焼きを「飾皿」に仕上げたアイテムがあり、ハレの日の贈り物に最適です。さまざまな絵柄がありますが、金色の空を背景にして2羽の鶴が舞い、雄大な富士と松が描かれたアイテムは、縁起が良いとされています。大切な日の記念品としても、海外へのお土産にもおすすめです。

サイズやデザインにもよりますが、3,000円~200,000円と値段の幅も広めになります。

まとめ

まとめ

七宝焼きは高価なアイテムとして認知されていますが、まったく手がでない価格帯ばかりではありません。七宝焼きは価格が高い傾向もありますが、質の良いアイテムとして長く使い続けることができます。アイテムによりますが、値段は3,000円くらいから数万円、高価なモノで数十万円になるでしょう。

値段が多少高くても丈夫で長持ちできるため、長い目でみたら安いかもしれません。良いモノを長く持ち続けられる優れた伝統工芸品として、七宝焼きは今も多くの方に愛用されているのです。

「畠山七宝製作所」では、紀元前からの伝統を受け継いでいる伝統工芸の七宝焼きを提供しております。オリジナルアイテムはもちろん、お客様のご要望にお応えするオーダーメイドも承っており、確かな技術を堪能していただけるでしょう。七宝焼きにご興味がございましたら、ぜひ当製作所までお気軽にお声がけください。

七宝焼きのきれいな色はどうやってできる?色のつけ方も解説

七宝焼きのきれいな色はどうやってできる?色のつけ方も解説

七宝焼きは色がポイントです。この色がどうやってできるか気になる方もいるでしょう。結論から述べると、七宝焼きの色は金属が織り成しています。釉薬(ゆうやく、うわぐすり)という特殊な絵具を使って、色をつけるのがポイントです。

今回は七宝焼きの色の秘密を知りたい方のため、その出し方や技法などを解説します。これを読めば七宝焼きの色に関する基礎知識がわかるでしょう。

七宝焼きの色はどうやってできるのか?

七宝焼きの色は金属からできています。色をつける役目は釉薬です。ここでは色の成り立ちを見ていきましょう。

七宝焼きの色は金属のもの

七宝焼きの色は金属のものです。ここでの色は、従来の金や銀、銅などとも違います。金属のイオンなどにより光が反射した結果、さまざまな色味ができるのです。

たとえば青でも、金属成分の反応によって色味が異なります。光の反射や反応する物質の組み合わせによって、暗い青になったり、さわやかな青になったりするのです。このような色の違いが、七宝焼きの目玉です。

以上から七宝焼きの色は金属由来で、出来栄えによって色味も異なります。

色つけには釉薬を使う

七宝焼きの色つけには、釉薬を使います。これは専用の粉末絵具です。釉薬の色選び次第で、焼き物としての出来栄えも違ってくるでしょう。

釉薬は、七宝焼きの素地に盛るのが基本です。そのうえに別色の釉薬で絵やデザインを施すこともあります。ここまでまとまったら電気炉に素地を入れて焼き、冷ますと完成です。このようにして七宝焼きの色が決まります。

七宝焼きの色を決めるのは、釉薬です。これが金属やガラスの反応を受け、さまざまな色を出すのです。

七宝焼きの色をつける主な技法4つ

七宝焼きにはさまざまな色つけの技法があります。技法によって釉薬の使い方も違うので、ぜひ確かめてください。
ここでは七宝焼きの主な4つの形式に応じて、色のつけ方を見ていきましょう。

ビーズやフリットではひとつの材料に釉薬1種類

ビーズやフリットは、七宝焼きにおけるベーシックな形式です。ひとつの材料を決め、それに1種類の釉薬を合わせるだけです。そのためオーダーメイドでも仕上げやすいといえます。

釉薬を盛り終われば、ビーズやガラスフリットを飾ります。材料と釉薬の組み合わせがシンプルであるため、飾りものを使ったデザインも進めやすいのが特徴です。そのため遊び心を発揮しやすい形式といえます。

このようにビーズやフリットは、七宝焼きの基本形式です。まずはこちらから色味やデザインを楽しんでみませんか。

ガラスのせでは不透明色の釉薬を使用

ガラスのせにはベネチアンガラスやチタンガラスを使います。銅板の上に、不透明色の釉薬を盛る形です。このとき使う色は1種類になります。

ベネチアンガラスは透明と不透明に分かれています。幾何学模様や色とりどりの小花など、多種多様なデザインが可能です。チタンガラスは角度によって色の見え方が変わります。そのため奥深い魅力を引き出す可能性に注目です。

ガラスのせでは不透明色の釉薬が活躍します。ガラスは角度によって見え方も変わるので、色のつき方も多彩でしょう。

銀ぱくちりばめでは2種類の釉薬を使う

銀ぱくちりばめでは、2種類の釉薬を使います。不透明色を先に使い、あとから透明色を盛る形です。最初に銅板に不透明である釉薬を一色盛ります。そのあとは、銀ぱくを散りばめるように乗せていくのです。

焼成後に透明色の釉薬を全体に盛ります。ここで再び電気炉に入れると、銀ぱくの部分に透明色の色が出ます。銀ぱくの振り方次第ですが、魅力的な色合いを楽しめるでしょう。

銀ぱくちりばめでは、先に不透明色の釉薬を使い、あとから透明色を盛るのが特徴です。このように高度な色のつけ方になりますが、そのぶん繊細な作品が出来上がる可能性があります。

重ね焼きは不透明の白がベース

重ね焼きは、銅板に不透明色の白い釉薬を盛ります。そのあと一度目の焼成に入る形です。

取り出した銅板に対し、次は透明色の釉薬を塗ります。そこへビーズやフリットによる飾りを入れてから、再焼成に進む形です。

このように重ね焼きは、二度の釉薬盛りと焼成があります。銀ぱくちりばめと違って、不透明の白がベースになっているのも特徴です。そのため七宝焼きとしては高度な技法といえます。

まとめ

まとめ

七宝焼きは、金属成分の反応によって、さまざまな色を出します。光の反射や見る角度などによっても、色が変わってくるでしょう。色つけには釉薬を使います。形式によって不透明色だけを使ったり、不透明色と透明色の両方を用いたりするのが特徴です。

このように七宝焼きは、材料や釉薬の使い方次第で、さまざまな色を見せます。これからオーダーメイドを考えている方は、ぜひ色味に注目してください。

「畠山七宝製作所」では、七宝焼きのオーダーメイドを展開中です。デザインの打ち合わせでは、色をはじめ、お客さまのさまざまな要望にお答えします。アクセサリーやジュエリーなどをお求めの方は、ぜひご相談ください。

ひとつひとつに命を宿す「七宝焼き」!職人はどういったことをしている?

ひとつひとつに命を宿す「七宝焼き」!職人はどういったことをしている?

職人というとどういった人を想像するでしょうか。毎日工房で同じような作品制作をしていると、思っている方もいるでしょう。工房で作品を作っているイメージは決して間違ってはいませんが、同じようなものを作っているわけではありません。職人の技術と知恵で多くの新作が生み出されていることは、意外と知られていません。

こちらの記事では、職人が七宝焼きでどういったことをしているのかを、紹介しています。

七宝焼き職人はさまざまな技法を使って制作している

七宝焼きと一言でいっても多くの技法があり、細かく分けると10種をこえるほどとなっています。七宝焼きの技法は、大きく「有線七宝」と「無線七宝」のふたつに分類可能です。職人はすべての工程を手作業でおこない、作品に命を宿しています。

それではどういったことをしているのでしょうか。職人がおこなう制作過程を知ってもらうために「有線七宝」を例として、ひとつずつ解説をしていきましょう。

素地を作ることからはじめる

「素地」とは土台のことで、銅や銀の板を作る物の形に切り出します。切り出した素地は木づちでたたいて曲線を作ったり凹凸をつけたりします。釉薬の盛り付けで割れにくくなったり凹凸でグラデーションができたりするのです。

素地に使われる金属は成形のしやすさや釉薬との相性などから、銅や銀が多く使われています。出来上がった素地に釉薬を盛り、焼成をすることで七宝焼きのベースが出来上がります。

素地に植線をほどこす

「植線」とは銀線を素地に立てていくことで、この植線こそが「有線七宝」で一番重要な工程といえるでしょう。描きたい模様や輪郭通りに銀線を置くことで、立体的に浮き上がらせられます。銀線自体が仕切りとなるので多くの色の釉薬が盛れるだけでなく、銀線自体も光るので一段と美しい仕上がりになるのです。

銀線はピンセットを用いて曲げるので非常に繊細な作業です。思い通りに加工するには10年かかるといわれています。

施釉で色を差していく

「施釉」とは色付きの釉薬を差すことで、植線でかたどった模様や輪郭に色を付けていきます。筆やホセ(竹べら)を使って施釉をおこなうので、こちらも植線同様非常に繊細な技術が必要です。ほどよい水分量が施釉のカギとなっているので、職人ならではの技術の高さが光るところでしょう。

焼成をし研磨をする

最後に「焼成」ですが、じつはここまでにも焼成は何度もおこなっております。少なくとも7回、多いと10回をこえることもあります。色を重ねることで深みを増していきますが、釉薬の層が厚くなると割れてしまうこともあり、職人の見極めが肝心な工程といえるでしょう。

仕上げに研磨をおこなうことで美しいツヤのある光沢ができ、有線七宝の完成です。以上が有線七宝の制作工程で、すべての工程のひとつひとつを職人の手で、丁寧におこなわれています。

職人はただ作るだけではない!技術を追い求める「先駆者」である

「職人がひとつひとつを手作りしているとはいえ、慣れればそこまで難しいものではない」と思う方もいるでしょう。なんでも最初はたいへんなものの、身につけば文字通り「作業」になるだけと思うかもしれません。それは誤りであり、職人はただ作るだけではないものです。常に技術を磨き・追い求める「先駆者」としてあり続けています。

七宝焼きの発祥の地では多いときで、200をこえる窯元がありました。しかしいまでは、8軒にまで激減しています。これは七宝焼きをおこなう職人の数が減り跡取りも育たないことや、七宝焼きの需要が減ってしまったことも原因だと考えられます。

そこで職人の方々は伝統のある七宝焼きを途絶えさせないように、魅力を最大限に生かした新しい七宝焼きの形を探し、切り開けたのです。新たな可能性を開き視野も広げるその姿勢こそが、職人がただ作るだけではなく、技術を追い求め続ける「先駆者」だといえます。

職人以外でなにかやっているの?

職人だけで生活をしている方もいるものの、それ以外にさまざまなことをやっている方も多いものです。たとえば「七宝焼き窯元○代目」でも自身のブランドを立ち上げ、七宝焼きを使ったアクセサリーの制作をしている方がいます。

七宝焼きの体験教室や実際に七宝焼きの基本から、高等技術を教える「入会制の教室」を経営されている方もいます。またネットショップにて職人ではなく作家として、制作・販売している方などさまざまです。

失われつつある伝統工芸の素晴らしさを世の中に広め、後世まで技術を伝えるために職人の方々は、さまざまなことをやっているのです。

まとめ

まとめ

七宝焼き職人はさまざまな技法を使い分け、多くの作品を生み出しています。土台を作ることから仕上げまでのすべてが手作業なので、いかにたいへんなのかがご理解いただけるでしょう。職人はただ作るだけではなく、伝統のある七宝焼きを途絶えさせないため、常に技術を追い求める「先駆者」として日々精進しているのです。

そのために職人と並行して別で七宝焼きを使ったアクセサリーショップを経営している方、体験教室をひらく方など、さまざまな方法で七宝焼きを広める活動などされています。

「畠山七宝製作所」 では七宝焼きの制作・販売だけでなく、百貨店や文化館・ホテルなどで展示会や実演をおこなっております。少しでも七宝焼きに興味がございましたら、お気軽にご来店・ご来場ください。

七宝焼きの種類にはどんなものがある?素地・模様・産地に分けてご紹介

七宝焼きの種類にはどんなものがある?素地・模様・産地に分けてご紹介

七宝焼きは、日本が誇る伝統工芸品の1つです。
日本に七宝焼きがやってきたのは、6世紀ごろともいわれており、その長い歴史の中で、さまざまな種類のものが生み出されてきました。

そこで今回は、七宝焼きについて、素地・模様の付け方・産地という3つの観点からそれぞれの種類についてご紹介します。

素地の種類について

七宝焼きは、素地の種類によって大きく3つに分けることができます。素地とは、七宝焼きの土台になる材質を指し、加工のしやすさから銅や銀などの金属が多く使用されています。

銅胎七宝・銀胎七宝

銅胎七宝というのは、銅から作られている七宝です。もっとも一般的であり、七宝焼き体験セットなどで使用されているのも、この銅胎七宝となっています。

銀胎七宝というのは、素地が銀で作られている七宝です。銅よりも白っぽい色をしているのが特徴で、その分発色が良いのが魅力となっています。釉薬は、半透明や透明のものが使用されています。

陶胎七宝

陶胎七宝というのは、その名の通り素地が陶磁器で作られたものです。基本的な七宝焼きの定義としては、金属を素地とするものと言われているので、その定義からは外れてしまいます。しかし、長い七宝焼きの歴史の中では、江戸時代頃から明治時代初期まで多く用いられてきた歴史があります。

残念ながら、金属の素地に比べると釉薬の発色が劣るため、その後はあまり作られることはありませんでした。

銀張七宝

銀張七宝とは、ベースとなる銅に銀箔を張って、その上から釉薬をのせたものを指します。銀箔を張るためには、まず銀箔に細かな無数の穴をあけ、より柔らかくする必要があります。その後、たゆまないように細心の注意を払いながら素地に張りつけたら、温度を管理しながら慎重に焼き付けていきます。銀胎七宝のような輝く美しさが魅力で、とくに明治20年代後半から30年代後半には大変な人気を集めました。

七宝焼きの模様の付け方による種類

七宝焼きの模様の付け方には、大きく分けて3種類があります。ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。

有線七宝

有線七宝とは、その名の通り金属の線を使って模様を描いていく手法です。まずは、銀線を熱して形作ったらピンセットで固定し、さらに高温で熱して定着させます。そして、釉薬を銀線の中に入れて色をつけたら、さらに熱して完成です。七宝焼きの中でも、とくに代表的な手法で、繊細な図柄を表現できるのが魅力となっています。

無線七宝

無線七宝は、金属の線を利用して模様を描き、釉薬で色をのせるところまでは有線七宝と同じなのですが、焼成する前に金属の線を取り除きます。そうすることで、より釉薬の境界がぼかされ、柔らかい雰囲気の仕上がりになります。

そのほかにも、筆を使って模様を描く「描画七宝」も、無線七宝の1つといえるでしょう。また、フリットと呼ばれる、粉末にされる前の七宝絵具の粒を使用する「フリット七宝」なども無線七宝の1つです。

有無線七宝

有無線七宝というのは、有線七宝と無線七宝を組み合わせた技法です。図柄がくっきりと見える有線七宝と、ぼんやりとした表現ができる無線七宝を組み合わせることで、全体に遠近感を出すことが可能になります。東京赤坂にある迎賓館には、有無線七宝の飾り額が飾られていることでも、知られています。

七宝焼きの産地別の種類

七宝焼きには、日本にいくつかの有名な産地があり、それぞれの作品の傾向に違いがあります。ここでは、代表的な産地である東京と尾張の七宝についてご紹介します。

東京七宝

東京七宝は、その名の通り東京・北関東の地域ブランドで、主に北区・台東区・荒川区などで生産が続けられてきました。その始まりは、江戸時代の初期にさかのぼり、平田彦四郎が朝鮮からやってきた技術者に七宝焼きの技法を学び、色付けしたのが始まりといわれています。その後、彼は徳川幕府の七宝師として、美しい作品を世に残しました。

また、明治6年には、政府が勲章の製造を依頼した際、七宝焼家元の平田春行が日本初の勲章である「旭日章」の試作品を作り上げた歴史もあります。このような歴史も持つ東京七宝は、その技術を受け継ぎながら、アクセサリーや小物など日常にも取り入れやすいさまざまなアイテム作りが行われています。

尾張七宝

尾張七宝は、愛知県あま市七宝町を中心として作られている七宝です。桜や梅などの植物や風景など、華やかで繊細な図柄が特徴となっています。尾張七宝は、1830年から1844年にかけて、オランダより輸入された七宝皿を手がかりとして、梶常吉によって生み出されたといわれています。

尾張七宝の特徴は、透明感のあるルビー色をした釉薬です。赤透と呼ばれるこの色は、素地の色を生かした透明感のある作品づくりに欠かせません。製作には非常に手間がかかるため、実用品の製作よりは、壺や飾り皿などの美術工芸品に重きが置かれています。

まとめ

まとめ

今回は、七宝焼きの種類について、素地・模様の付け方・産地という3つの観点からご紹介しました。七宝焼きには、さまざまな技法や表現方法があり、長い歴史の中で現在も進化し続けています。アクセサリーや小物など、日常使いしやすいアイテムも多くありますので、ぜひ手に取ってみてください。

東京都荒川区にあります「畠山七宝製作所」は、東京都知事指定伝統工芸品である東京七宝の製作所です。指輪やブローチ、帯留めなどはもちろん、ユニークな妖怪七宝もご用意しています。オーダーメイドでの製作も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

七宝焼きのお手入れ方法とは?自分でできるお手入れ方法を紹介

七宝焼きのお手入れ方法とは?自分でできるお手入れ方法を紹介

七宝焼きは陶磁器のような重厚感とステンドグラスのような鮮やかな色の組み合わせが魅力です。アクセサリーやキッチン小物など、さまざまなシーンで七宝焼きの作品を楽しめます。

七宝焼きを購入する際の不安のひとつは手入れの仕方です。金属やガラスが含まれているため、適切なお手入れ方法がわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、自分でできる七宝焼きの七宝焼のお手入れ方法をご紹介します。

七宝焼きのお手入れの基本

七宝焼きのお手入れ方法を知るには、構造を理解しておくことが大切です。ここでは、七宝焼きの特徴を紹介しながらお手入れ方法についてご紹介します。

金属を使用している

七宝焼きの特徴のひとつは素地です。陶磁器では紙や粘土などを使用しますが、七宝焼きは金属を素地として用いています。主な金属として金、銀、銅、鉄などが使われており、作品のイメージに合わせた金属が用いられているのです。

金属には美しい光沢や優れた加工性という特徴がありますが、一方で熱が伝わりやすく変色しやすいという性質があります。七宝焼きのアクセサリーや小物などの作品を保管する際にも変色などに注意しなければなりません。

ガラスを使用している

七宝焼きのもうひとつの特徴は表面の加工です。金属の素地にガラス質の釉薬を使用しています。700℃~800℃という高い温度で釉薬の焼き付けをしており、時間が経過すると溶け出して光沢や透明感が現れるのです。

ガラスには美しいツヤを楽しめるという魅力がありますが、一方で衝撃に弱いという性質を持っています。アクセサリーで七宝焼きの作品を身につける際にも、強い衝撃を与えないように注意しなければなりません。

押さえておきたい七宝焼きのお手入れ方法

七宝焼きはデリケートなので、取り扱いには十分な注意が必要です。ここでは、七宝焼きの作品をお手入れ方法について詳しく見ていきましょう。

布を使用が基本

七宝焼きの作品をお手入れする際には布を使用しましょう。作品が手に触れないように大きめの布の使用がおすすめです。

ガラス質による加工を施した七宝焼きは、他のアクセサリーや小物に比べると繊細でキズが付きやすいという特徴があります。また、少しの汚れが付着してしまった場合、放っておくと取れにくくなってしまうでしょう。七宝焼きのアクセサリーを保管する際には、柔らかい布を使って優しく汚れを拭き取るのがおすすめです。

汚れが付着してしまった場合

七宝焼きのアクセサリーや小物を使い続けていると汚れが残ってしまうことがあります。また、外出先で食べ物や飲み物が付着してしまい、表面が汚れたというケースもあるでしょう。汚れを落とす際には柔らかい布がおすすめですが、汚れが落ちにくい場合には洗剤を使用しましょう。

食器を洗うときに使用する中性洗剤を使えば、汚れを簡単に落とせます。また、中性洗剤は金属やガラスとの相性がよいため、変色や酸化などの心配もありません。家庭用洗剤でアクセサリーや小物に付着した汚れを落とす際にも、力を加えずに丁寧に洗うのが大切です。

洗った後のお手入れ

七宝焼きの作品は太陽などの光に強く、水にぬれても強いという性質を持っています。ただし、洗剤で汚れを落とした後は、柔らかい布を使って表面に付着した洗剤の泡や水分を拭き取るのがよいでしょう。布を使って水気を拭き取る際には、力を加えずに包み込むようにケアするのがおすすめです。

七宝焼きのお手入れで注意しておきたいポイント

七宝焼きの作品をお手入れする際に、研磨剤入りの洗剤やスチールたわしを使いたいという方がいます。ここでは、七宝焼きのお手入れで注意しておきたいポイントをご紹介します。

研磨剤入りの洗剤の使用はNG

七宝焼きのお手入れにおいて研磨剤入りの洗剤は使用を控えましょう。研磨剤には硬い粒子が含まれており、ガラス質の表面にキズが付く恐れがあるからです。光沢が失われるだけではなく、表面のガラス質がはがれることもあります。汚れが付着した場合でも家庭用の中性洗剤で優しく洗うようにしましょう。

スチールたわしの使用もNG

七宝焼きのお手入れでは布の使用が基本です。スポンジの使用は可能ですが、スチール製のたわしを使うと表面に細かなキズができてしまいます。研磨剤入りの洗剤を使ったときと同じように、七宝焼きの特徴である光沢が失われてしまうでしょう。

3-3.食器洗浄器の使用も控える

七宝焼きの小物やアクセサリーをお持ちの方の中には、食器洗浄器を使ってまとめてお手入れしたいという方もいるのでしょう。しかし、食器洗浄器で洗うとアクセサリー同士がぶつかってしまい、表面にキズが付く恐れがあります。小物のお手入れをする際には、布を使って丁寧に汚れを拭き取るのが基本です。

まとめ

まとめ

七宝焼きには美しい光沢と繊細なデザインという魅力があります。いつまでも金属とガラス質の輝きを楽しめるためにも、こまめにお手入れをしましょう。

「畠山七宝製作所」ではペンダント、ブローチ、ネクタイピン、バクチャームなど、こだわりの七宝焼きの作品を取り扱っております。東京都知事指定伝統工芸品にも選出されており、確かな品質の作品を販売しております。七宝焼きの作品の購入をお考えの方は「畠山七宝製作所」にお問い合わせください。

尾張、東京、京都の産地ごとに違う七宝焼きの特徴とは?詳しく解説

尾張、東京、京都の産地ごとに違う七宝焼きの特徴とは?詳しく解説

七宝焼きは、日本の伝統工芸品の一つとして広く知られています。愛知県に七宝町という町があります。この町は七宝焼きの製造がかつて盛んだったことから、七宝町という町名になったという由来もあるほどです。七宝焼きは、その基礎が築かれた七宝町から各地に技術が広まり、愛知県だけでなく他にも複数の産地でつくられてきました。

この記事では、七宝焼きの産地や産地ごとに異なる七宝焼きの特徴について、解説します。

七宝焼きの産地は複数ある

七宝焼きの産地は、七宝町のある愛知県だけでなく、東京都・京都府・長崎県など複数の場所に存在します。七宝焼きの美しさも魅力ですが、産地ごとに作品としての特徴が異なることも七宝焼きの魅力の一つです。次に、現在も七宝焼き職人が七宝焼きを製造している産地と作品の特徴をいくつかご紹介します。

愛知県の尾張七宝

愛知県あま市七宝町と名古屋市一帯で作られる七宝焼きは、尾張の地の由来から「尾張七宝」と名づけられました。江戸時代後期に尾張(現在の愛知県西部)藩士だった、梶常吉(かじつねきち)という人物の働きによって七宝焼きと呼ばれるようになりました。

梶はオランダから日本へ輸入された皿が七宝焼きの技術で作られていることに関心を持ち、その七宝焼きの皿を解明、その後に各地へ技術が広がっていきます。広まった地域では、改良や工夫が重ねられ、産地によって七宝焼きの特徴にも変化が出てきました。

東京都の東京七宝

東京都の台東区や荒川区などで生産される七宝焼きを、「東京七宝」といいます。東京七宝は、19世紀後半に西洋の技術が取り入れられ、校章や記章などに広く用いられました。

京都の京七宝

「京七宝」は、その名の通り京都府を中心とした七宝焼きです。京七宝は、京の金工職人達が技術を学び始めたところから広まっていったと考えられています。京都のお寺などでは、引手や釘隠し金具等が今でも残っている場所が多く存在します。

尾張七宝、東京七宝、京七宝の特徴

次に、各産地の七宝焼きの特徴をご紹介します。

尾張七宝の特徴

尾張七宝は、風景や花などの柄を取り入れ、ガラス質の釉薬(ゆうやく、うわぐすり)を施すなどの華やかで繊細な技法を大切にしてつくられるのが特徴です。釉薬は赤透(あかすけ)と呼ばれる透き通った赤色が代表的で、宝石のルビーのような高級感がある色に仕上がります。高級な品が多く、七宝焼きの中では尾張七宝だけが、経済産業省指定の「伝統的工芸品」として国からの認定を受けています。

東京七宝の特徴

東京七宝は、専用の型に、色ガラスの粉の釉薬を流し込んでいくやり方で作られます。日本以外ではこのガラス素材を使った七宝焼きはあまり生産されていないので、貴重な技術です。現在では、カジュアルなペンダントやネックレスなど幅広い商品が生産されています。色ごとの境界の明瞭さや色鮮やかな柄の繊細さは評価が高く、仕上がりの美しい質感、透明感こそが東京七宝の特徴です。

京七宝の特徴

時代が進むにつれて現在では、花瓶やアクセサリーなどの商品も作られています。京七宝は、高級なものから手に入りやすいカジュアルな物まで、幅広い商品を作っています。

まとめ

まとめ

七宝焼きは、繊細な技術を使い、変化を遂げ、産地ごとに異なる特徴が生まれました。七宝焼きの製造の原点は、梶常吉という人物が、オランダから輸入された七宝焼きの皿を解明したところから始まりました。その後各地へ技術を広げていき、その地に特徴的な七宝焼きが生まれたという歴史があります。

高級なものから手に取りやすいものまで、時代を経るにつれて七宝焼きの魅力はさらに増してきました。愛知県の「尾張七宝」は、七宝焼きが日本で広まるきっかけになった七宝焼きです。豪華で繊細な技法にこだわるつくりを大切に受け継いでいます。七宝焼きの中では尾張七宝だけが、経済産業省指定の伝統工芸品として国からの認定を受けています。

また、京都を中心とした七宝焼きを「京七宝」といい、京の金工職人達が技術を学び広め、京都の寺などには引手や釘隠し金具等が今でも残っているのです。現在では、花瓶やアクセサリーなどの品も作られています。京七宝は、高級な品からカジュアルな品まで幅広く人気があります。

そして、関東・東京の七宝焼きを「東京七宝」といい、東京都台東区や荒川区などで今でも生産されており、昔から校章や記章などが作られ、現在ではカジュアルなペンダントやネックレスなどの幅広い品が作られています。東京七宝の特徴は、仕上がりの美しい質感と透明感があることで、色ごとの境界の明瞭さや色鮮やかな柄の繊細さは評価が高いことで知られています。

このように、七宝焼きは産地によって特徴があり、どの地域の作品にも違った魅力があります。どの地域も共通して変わらないところは、魅力があるのはもちろんのこと、昔と同じように職人の繊細な手仕事によって今でも美しい作品が生み出されていることです。

「畠山七宝製作所」では、紀元前からの伝統を受け継ぎ、七宝・ネクタイピン・カフスボタン・携帯ストラップ・ブローチ・ペンダント・ピンズなど、和風アクセサリーの製造・販売・卸受注も承っております。東京の伝統工芸品に指定された当社の製品を、ぜひご堪能ください。

七宝焼きの作り方について!必要な道具や自宅で作る方法も詳しく解説

七宝焼きの作り方について!必要な道具や自宅で作る方法も詳しく解説

「おうち時間」という言葉が使われるようになってから、自分で作品を制作する方が増えてきました。実は、日本の伝統文化である七宝焼きも、自宅で作成可能ということをご存知でしたか。

今回は、七宝焼きを自分で作る方法について解説していきます。必要な道具についても説明しているため、ぜひ参考にしてみてください。

七宝焼きの作り方

七宝焼きは、「金属の表面に、ガラス質の釉薬を盛り、焼き上げたもの」と言えます。そのため、金属・釉薬を用意し、焼き上げることができれば、自宅でも作成することが可能です。ガラスや金属の溶着や発色についても学べるため、小中学生の自由研究や学びの場としても最適です。

2.七宝焼き作りに必要な道具

ここでは、七宝焼きを自宅で作成するにあたって、必要な道具について簡単にご説明していきます。七宝焼きの作成の際に必要な道具は以下の通りです。

  • 銅板
  • 釉薬(ゆうやく、うわぐすり)
  • 電気炉

これらについて簡単にご説明していきます。

銅板

銅板は、七宝焼きの土台となる金属です。市販で購入することができます。銅以外にもさまざまな種類のものがありますが、銅板がもっともお求めやすい価格で購入できるため、おすすめです。

釉薬

釉薬は、銅板の上に塗るガラス質の膜になります。色や透明度を選ぶことができるため、自分が作りたい作品をイメージしながら選ぶようにしましょう。土台の金属によって適した釉薬があるため、購入の際は注意が必要です。

電気炉

電気炉は、銅板と釉薬を高温で焼き上げるために必要な機材です。費用は、コンパクトなボディでもっともリーズナブルなものだと6万円前後かかります。電子レンジやオーブントースターでの作成も可能ですが、適した機材を使用する方がリスクも少ないです。今後も七宝焼きを続けていく予定の方や本格的に取り組みたい方は電気炉の購入をおすすめします。

公民館や文化センターなどで、電気炉を使用できる場合もありますので、最寄りの施設に確認してみるのも良いでしょう。

その他、軍手やへら、やすりなど、盛り付けや焼き上げる際に使う道具などがあります。すでにお持ちの場合もあるため、必要に応じて購入しましょう。

七宝焼きの自宅での作り方

ここからは、自分で七宝焼きを作成するための方法を、具体的に解説していきたいと思います。

釉薬を盛り付ける準備

はじめに、アルコールを使って銅板を拭きあげ、釉薬をのせやすいように真ん中がくぼむように曲げていきます。焼き上げた際に形が変わらないよう、事前に裏面をガラスで裏引きしておきましょう。曲げてあるものや裏引き済みのものも市販品で販売しているため、事前準備が億劫な方は市販品で購入しても大丈夫です。

釉薬の盛り付け

次に、銅板に釉薬を盛り付けていきます。竹ベラなどを使い、銅板のフチまで盛ります。この際、違う色の釉薬を使用し、絵を描くことも可能です。ガラスビーズを使用し、アクセントを追加することもできます。自分のイメージするデザインを作り上げていきましょう。

電気炉で焼き上げる

盛り付けが完了したら、電気炉で焼き上げます。800度でおよそ2分間焼きましょう。釉薬の種類によって焼き色が変わるため、さまざまな種類のものを試して、自分の好みの釉薬を見つけるのも楽しみの一つです。

焼き上がったあとは銅板を取り出し、冷まします。ガラスは見た目による温度の変化がわかりづらいため、余裕を持って冷ますと火傷の危険性が減ります。

仕上げ

十分に冷ましたあとは、仕上げを行います。銅板からはみ出た釉薬を、やすりを使って削りましょう。この仕上げが終わると、七宝焼きの完成です。

以上が七宝焼きの自宅での作り方になります。

七宝焼き作りの魅力

七宝焼きは手軽に始められる趣味です。特にアクセサリー作りは市販のものと比べても、自分で作ったものは愛着もわき、思い出を形に残せるため、おすすめの趣味と言えるでしょう。

「伝統工芸品」と聞くと、気軽に楽しめない雰囲気や古くさいイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、七宝焼きは、始めるハードルも低く、自分自身でデザインを決めることもできます。現在、さまざまな伝統工芸品の職人や工房で、後継者不足が問題となっています。気軽に楽しめる七宝焼きを通して、日本が誇る「伝統工芸品」に興味を持っていただけますと幸いです。

まとめ

まとめ

今回説明したとおり、七宝焼きの作り方はシンプルです。銅板に釉薬を盛り付け、焼き上げることで完成します。しかし、シンプルだからこそ、職人や地域によってさまざまな技法があります。自分で七宝焼きを焼くときには、さまざまな焼き方や職人の技なども参考にして焼いてみると面白いものでしょう。

私たち「畠山七宝製作所」では、今回紹介した七宝焼きとは少し違う「東京七宝」を作成しております。職人の技術や経験に裏打ちされた作品を一部、サイトで販売しております。七宝焼きの魅力に気付いた方は、ぜひ、ご覧ください。